選択:『ココは、あれをやるしか…』and『他の出口を探してみる』のループ。
「じゃあ…やっぱり仕方がないか……」
そう呟いた倉真の呟きが漏れる。
それに何かを感じ取った甲府がどうするの?と問いかけると、倉真は甲府ではなく、本村にその視線と顔を向けた。
「よし、本村君。アレをやるか」
「ハァ?アレってなんだよ」
いきなり話を振られた本村は、当然だが倉真に問い返す。
周囲も、不思議そうに倉真を見るばかりだ。
『アレ』と言われても、先ほど却下された茂沼を窓に激突させてみよう作戦とか、頭突いて一発★玉砕覚悟の特攻作戦とか、机を投げさせてみよう作戦くらいしか思いつ…いえいえ。思い出せません。
「最初しか合ってないし…」
だから、何でこっちに突っ込み入れるかな…。君はあっちに突っ込みを入れて、こっちはそれを楽しむだけでいいんだよ。さぁ、行っておいで。
「や、こっちの方平和だし」
「松岡君は何独り言言ってるの?」
「さぁ…。おかしくなっちゃったとか」
ほら、おかしく見られてる…。
まぁ、そんな会話が背景で繰り広げられているが、倉真と本村は『アレ』について、固有名詞を全く言わずに言い合っていた。ある意味凄い。
しかし、ココで『アレ』がわかる男が現れた。
「あぁ、アレね」
それは、神薙だった。
『アレ』の一言で理解した彼を、言いあいの外にいた甲府達が驚いた表情で見る。
「アレでわかるのか?!」
「まっちゃん、さっきから何かツッコミばっかりしてるね。独り言も言ってるし…。どしたの?」
「や、誰も言わないからさぁ…。ひ、独り言は気にしないで…」
さて、そんな間に、『彼ら』の準備は、整ってしまったようだった。
本村にも、『アレ』の正体がわかったらしい。
倉真が本村にアイコンタクトを試みて、そして、それは成功した。本村が軽くうなづく。
倉真の思ったことは一つ。
やるしか、ない。
「よし、やるぞ~~!!」
「え、何!?何やるの?!」
甲府の混乱を置いて、そして松岡の呆れと諦めを置いて、三人は、叫んだ。
「らん☆らん☆る~~~~~!!!」
「や、あれでわかってたまるか~!」
すかさず入った松岡のツッコミに、一同が爆笑する。どうやら、ツボはつけたらしい。
少々暗くなっていた(のか…?)雰囲気が軽くなり、ほっと一息ついた頃。
本村がふと上を見ると、あぁ、そこには……
「あれ、上にあんのスキマじゃね?」
「マジか。ヤベ、スキマじゃん!」
倉真も上を見上げて、それを認める。出れるか。とそう一同が感じたその時だった。
「……なんか、近づいてきてない?」
「むしろ大きくなってる気がする…」
………………………………………………………
「えぇぇ~~!?これどうなんの!?」
「え、ちょ、ま、うわあぁぁぁぁぁ!!」
何が起こったのか、分からなかった。
何も、できなかった。
ただ、スキマ(?)によって別世界に送られるな。ということだけが理解できた。(冷静だなオイ)
…さて、次に目に入ったのは、見慣れた赤いそれ。スピードシート。
……………え?
さて、ココでプロローグ。つまりIN現実の世界は終了します。次からは、いよいよ、やっと、冒険の始まり!
まずは、『イントロダクション』ですね。
とりあえず、送られた方々、いってらっしゃぁ~い…。
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